我が家のだいずが尿路結石になったことがきっかけで、猫1匹1匹の尿量を把握したいと思うように至りました。
多頭飼いでも尿量を把握することができる猫トイレとしてネットで見つけたのが、SHARPのペットケアモニターとトレッタキャッツでした。
結論、私たちはSHARPのペットケアモニターを購入することにしました。
今回の記事では、この2つのトイレの特徴を紹介することを通して、
・2つのトイレの性能、特徴の比較
・なぜ私たちがペットケアモニターを選んだのか。
・2つのトイレを選択する上でのポイント
主にこの3点について、お話させていただきますね。
ペットケアモニターとトレッタキャッツの違い
あくまでもペットケアモニターのユーザーである私目線での比較になります。
トレッタキャッツについては、トレッタキャッツ公式HPや、にゃんこ番長さんのブログなどを参考にさせていただきました。
色々と比較してみて、わかったことがありました。
それは、基本的な性能には大きな差がないということです。
【2023年1月追記】
トレッタキャッツがリニューアルにより、AIによる診断機能を追加しています。ペットケアモニターとの差別化を図っていると思うので、大きな差がないというのは、2023年現在においては、適切ではないと考えています。
トレッタキャッツの公式HPには、スマホアプリで確認できるものとして次のものが書かれていました。
①体重、②尿量、③尿回数、④滞在時間、⑤入室回数、⑥経過時間
これらは、SHARPペットケアモニターでも把握することができます。
ただし性能に大きな違いはないものの、2つのトイレのコンセプトやオススメしたい環境(人・猫)はかなり異なる点に注意が必要です。
各家庭環境ごとの向き不向きを判断してもらう判断材料になるように、2つのトイレの特徴の比較をしていきますね。
① 個体識別方法
カメラによる個体識別をする点がトレッタキャッツさんの最大の魅力です。
一方のSHARPペットケアモニターは、体重識別と首輪に付ける識別バッチの2種類のいずれかの選択となっています。
体重識別は文字通りトイレを使う猫の体重で個体を識別します。猫の体重をアプリで登録さえすれば利用できる反面、体重の差が数百グラム(150g以内は厳しい?)だと識別が難しいです。
我が家の猫は2023年1月現在、母猫おからとここあの体重がほとんど同じ(100g程度)ため、この2匹に関してはどちらがトイレを使ったのか区別することができていません…。
しかし首輪をつけての識別には抵抗感があり、利用していません。
個体識別に関して、トレッタキャッツの方が優れていることは、間違いないと思います。
さらにトレッタキャッツでは、トイレをしている際の様子も動画で確認できるため、数値上のデータからだけではなく、トイレをしている様子からも異変に気付くことができる可能性もある点が非常に魅力的です。
※ただし、トレッタキャッツ公式HPには、トリミングをして外見上に変化が生じた場合、個体識別に影響が出る可能性ありとあります。また、兄妹で見た目が似ている、黒猫ちゃんなど、外見が似ている場合の精度については、私にはわかりません。
② 初期投資とランニングコスト
初期投資
どちらもトイレ1つのお値段が約7千円。
ただしペットケアモニターは、多頭飼いで個体識別バッチを利用する場合は1つにつき、約5000円かかります。
どちらも1ヵ月のお試し期間は、無料での返品が可能。
どちらも初期投資は対して変わらないですね。
ランニングコスト
トレッタキャッツはトイレ1台につき、月額1480円(2023年1月時点)。例えば多頭飼いでトイレを3台利用する場合、月額利用料金が1480円×3=4440円となる計算になります。
正直、多頭飼いには致命的な値段設定です。
一方で、SHARPペットケアモニターがトイレを何台利用しても月額330円(税込)。
非常に多頭飼いにとって、ありがたい価格設定になっています。
もう少し長い期間でランニングコストを考えると、我が家では猫4匹おり、最低でも3台のトイレが欲しいので、仮に3台のトイレを設置するとします。
トレッタキャッツは、月4440円×12ヵ月で年間53280円。10年継続して利用したら約53万円です。
SHARPペットケアモニターは月330円×12ヵ月で年間3960円。10年継続しても約4万円です。
3台のトイレを10年使った場合、53万と4万で約13倍の差が出ます。
しかし、逆に1匹飼いのお家であれば、10年継続利用でトレッタキャッツは約17万。
一方のSHARPペットケアモニターは約4万。
差が4倍にまで縮まります。
その他ペットシーツや猫砂などに関するランニングコストは、一般の猫用システムトイレを使用した場合と同じなので割愛します。
③ 設置場所周辺の温度センサー
SHARPペットケアモニターには、トイレ設置場所周辺の温度を記録する機能が備わっています。
※ただし常時把握できるわけではなく、猫の排泄時に室温も記録される仕組み。
tamaさんのコラムにもある通り、猫の膀胱炎対策としては、猫トイレの設置場所の温度が低くなり過ぎないようにすることは大切なことのようです。必須機能という訳ではないですが、確認ができるので意外と便利です。
ただし、常時室温を測ることができるわけではない点には注意が必要です。あくまで猫がトイレを利用したときに、尿量や体重などと一緒に記録されて、それが確認できるという仕組みです。
室温の把握についてはトレッタキャッツにはありません。
必須機能という訳ではないので、それほど気にする必要はないと思います。
④ アプリの使い勝手の比較
Toshi@どうぶつ腎臓病センター/ALOHA/獣医師さんのnoteによる比較記事が感動するほどわかりやすいです。
私は、SHARPペットケアモニターしか使ったことがありませんが、尿量や回数、体重などのトレンド傾向を知るためのグラフも見やすいですし、体重測定も驚くほど正確にしてくれています。
SHARPペットケアモニターのアプリで不満をあげるとすれば、少しアプリが重いこと。よく数秒間のフリーズはします。
【2023年1月追記】
トレッタキャッツのアプリリニューアルが2022年2月に行われ、それによってアプリもかなり使いやすくなっていそうです。
新機能やアプリ画面については、Toletta公式でわかりやすく解説されています。
正直、SHARPペットケアモニターより、トレッタキャッツの方がわかりやすい(異変に気付きやすい)と思います。
⑤ ライトの有無
トレッタキャッツはカメラでの個体識別をするために夜はライトが点灯するそうです。人が見ても眩しいと感じる程には明るいそうです。
にゃんこ番長さんの記事によると、ちょっとした工夫をすれば人間は困らないし、猫への悪影響も基本的にはなさそうですね。
もちろんSHARPペットケアモニターにはライトはありません。
⑥ AI診断機能の有無(2023年1月追記)
Toletta公式の説明が非常にわかりやすいです。
この部分は2つのトイレに大きな差がある部分だと思います。
SHARPペットケアモニターにも、尿量の変化やトイレの回数などが変化した場合、通知をくれる機能はあります。
一方、トレッタキャッツは、「猫の様子(元気があるかないか)」「食欲」などの項目を日々入力することで、より総合的にAIによる健康観察を毎日チェックすることができるようです。
性能比較のまとめ
項目 | ペットケアモニター | トレッタキャッツ |
---|---|---|
本体型番 | HN-PC001-W | ? |
本体価格(税込) | 6980円 | 6980円 |
月額アプリ利用額 | 330円(10頭まで同一価格) | 1480円(トイレ1台あたりの価格) |
お試し期間 | あり(30日以内の返品可) | あり(30日以内の返品可) |
個体識別方法 | 首輪or体重 | カメラ |
体重把握 | 〇 | 〇 |
尿量/尿回数 | 〇/〇 | 〇/〇 |
トイレ周辺温度 | 〇 | × |
うんち把握 | × | × |
猫砂の純正品以外の対応 | 〇 | 〇 |
水洗い | 可(スケールユニットは不可) | 可(電源・センサープレート・カメラを除く) |
AI診断機能 | △ | ◎ |
基本的な機能に大きな違いはないものの、個体識別方法と月額料金が購入を決める上で重要な要素になりそうです。
私たちがSHARPペットケアモニターを選んだ理由
ずばりお金の問題です。
我が家は猫4匹と暮らしているので、トイレを最低でも3つ(できれば4+1の5つ)は用意したいところ。
そうなった際に、トイレ1台につき月額1480円するトレッタキャッツを買うことは現実的ではありませんでした。
これが最大の理由です。
猫の体調を長い目でみたい。むしろ高齢猫になったときにこそ、より必要になってくるものだからこそ、お財布に無理のないような選択にしたかったのです。
しかしながらSHARPペットケアモニターでは母猫おからとここあの体重がほとんど一緒なため、識別ができないという問題は残っています。
そのため、識別のために首輪をつけることも検討しています。
今はトイレ付近にペットカメラを置いておくことで、どちらが利用したのかわかるようにしています。
正直、もしトレッタキャッツが1台につき月額1480円ではなく、1契約につき月額1480円であれば、トレッタキャッツを選んでいたと思います。
トレッタキャッツとペットケアモニターどっちがオススメ?
あくまでもペットケアモニターのユーザー目線での考えです。
尿路結石の予防という観点から
AIによる診断機能が加わったことで、トレッタキャッツは明らかに高機能化していると思います。
猫の健康把握をより総合的な視点から把握・管理していきたいのであればトレッタキャッツが絶対に良いと思いました。
食事状態や日々の様子をタイムスケジュールに毎日入力しておけば、動物病院の診察のときも、簡単に猫の変化を説明できるのも良いと思います。
一方、尿路結石等、オシッコに関する異変に素早く察知したいというニーズであれば、SHARPペットケアモニターでも充分だと、1ユーザとしては思います。
猫の飼っている数について
猫が1匹の場合
1匹飼いであれば、個体識別方法を気にする必要はありません。
コスト面を重視するならばペットケアモニターを選択。
排泄の様子を映像で確認したいならトレッタキャッツを選択。
という感じになるのかなあと思います。
正直、もし我が家が猫1匹であればトレッタキャッツを選択したと思います。
【2023年1月追記】
この記事を書いた2022年1月は、トレッタキャッツは1台あたり月額1078円でした。2023年現在は、月額1480円です。つまり、アプリのリニューアルに伴い400円程の値上げをしています。
正直、完全に富裕層にターゲットを絞ったサービス展開という印象です。
多頭飼いの場合
多頭飼いでも状況は様々ですよね。
仮に猫さんの体重がはっきりと異なる(差が300g以上あれば大丈夫?)場合は、2匹でも3匹でもSHARPペットケアモニターの体重個体識別が利用できると思います。
猫が2匹なら、トイレ1つでトレッタキャッツを利用するという選択肢もありかもしれません。
ただ、猫数+1のトイレを置くことが基本ということを踏まえると…。
猫がたくさん大家族の場合。
これまでも首輪をつけていて、首輪になれている猫さんたちであればSHARPペットケアモニターの利用が問題なくできると思います。
問題は我が家のように首輪が使えない場合。友達の猫は首輪が嫌いで、つけてもすぐに外すと聞きます。そういう猫さんは厳しいかもしれませんね。
例えばですが、我が家の猫構成はこんな感じです。
猫 | 体重 |
こまめ | 2.5kg |
ここあ | 3.5kg |
おから(母猫) | 3.4kg |
だいず | 5.5kg |
このとき、ここあとおから(母猫)体重が近いためか、おからがトイレを利用した場合、ここあのところに記録されてしまいます。(おからのところに正しく記録されることもあります)
200g以下の体重差の場合は、はっきりと識別するのは難しいというのが利用して1ヵ月の感想です。
トレッタキャッツの社員さんへ
「猫の平均寿命を30歳に」という目標を定め、猫の体調を多角的な視点からIoTの技術を使って管理していこうという猫愛、ビジョンが素晴らしいからこそ、トイレ1台あたりの価格設定は非常に残念に思います。
多頭飼いの人こそ1日の尿量が把握したいと、より強く思っていると思います。多頭飼いの人こそ、このような画期的な商品を使いたいと思うはずです。私たちのように。
トレッタキャッツさんのトイレは本体代金が2021年11月時点で0円となっており、導入のコストが限りなく抑えられています。しかし私たちは、初期投資費用以上に、長い年月を考えたランニングコストを意識すると思います。(もちろん本体台0円は敷居を低くするという意味で効果的だと思いますが)
富裕層をメインターゲットにした商品であれば仕方がないですが、幅広い顧客をターゲットに今後していくのであれば、例えばトイレ2個目からは1台につき月額300円をプラスにするなど、多頭飼いでも手を伸ばしやすい価格設定を考え直してもらえると大変嬉しいです。
人も猫も幸せに。会社に利益が出て社員の皆様にもそれが還元される。それと同時に世の中の猫さんとその家族の幸福につながる。
素晴らしい商品開発、お仕事をされているからこそ、その利益を最大化するためにも、よりユーザーを増やすための敷居を低くしてほしいと強く願います。
コメント
はじめまして。
最近ペットケアモニターを購入したものの(まだ手元にはありません)「トイレッタのが良かったのかな」と急に不安になってしまい、このブログに辿り着きました。比較や猫砂、掃除まで非常に参考になり抱いた不安も無くなりました。
お礼の気持ちを込めてコメントさせて頂きました。
ありがとうございました!
はじめまして。
コメントいただき、参考にして下さって本当にありがとうございます。
我が家の猫4匹は、もともとは固まるタイプの細かい粒の猫砂を使っていたため、ペットケアモニターのシステムトイレに馴染むのに少し時間がかかりました。
そのため、最初の数週間は前のトイレと併用したり、砂を混ぜたりして、試行錯誤してましたが、今では全員使ってくれています!
お互い、お家の猫さんが満足してトイレを使ってくれて、健康に過ごせたら嬉しいなと思います。