今回は、実際に読んだ本の中からほっこりと心温まる小説を選んでみました。
選択の基準としては、
・読後感良し
・悲しい気持ちにならない
・心温まるほっこり
上記3点の基準に満たすものを選びました。
特に、ほっこりするけど、「悲しい気持ちにもなる」系の小説は省きました。切なさ要素は完全に排除したチョイスにしています。例えば、「旅猫リポート(有川浩)」や「くちびるに歌を(中田永一)」、「僕は明日、昨日の君とデートする(七月隆文)」、「陽だまりの彼女(越谷オサム)」などには切なさ・感動といった要素が強いと思うので今回は選んでいません。
特に猫4匹と一緒に暮らしている私にとっては、「旅猫リポート」は涙なしでは読めませんから…。
あるいは、「心温まる」けれど、「ほっこり」かと言われたら感覚的に少し違うかなと感じたものは外しました。例えば「夜のピクニック(恩田陸)」や「おいしいコーヒーの入れ方シリーズ(村山由佳)」などは好きですが選びませんでした。
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阪急電車(有川浩)
ほっこり小説の中のほっこり。ほっこりできる小説を探している人は、まずこれを読んでみてください。間違いなく傑作です。
1つ1つのお話が20ページくらいの短編が15個くらい集まってできてます。1つ1つが短くて電車の中でサクッと読めるので、読書初心者さんでもとても読みやすいですよ。
舞台は兵庫県の阪急電車今津線に乗車してる人たち。今津線に乗っている女子高生や、おばあちゃんと電車に乗ってる幼い子ども、同僚に婚約者を奪われ、その結婚式に出席して心に傷を負っている女性など、全く赤の他人だった人たちが、阪急今津線を通して交わっていく物語です。
夫婦でこの小説が大好きで、阪急今津線に乗るための旅行に行ったくらい。
蜂蜜と遠雷(恩田陸)
俺はまだ、神に愛されているだろうか?
幻冬舎公式サイトより引用
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!
第156回直木賞&2017年本屋大賞のダブル受賞作品。
ここを制したものは世界最高峰のピアノコンクールで優勝できる」というジンクスがある、3年おきに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクールが部隊。主な登場人物は4人のピアニスト。
ホフマンという伝説的ピアニストに5歳から師事していたという無名の「風間塵」。
幼いころから天才ピアニストとして有名だったが、13歳のときの母の死からピアノを弾くことができなくなった20歳の「栄伝亜夜」。
世界的ピアニストに師事しており、今回の大本命。幼いころ亜夜と一緒にピアノを弾いたことがある「マサル・カルロス・レヴィ・アナトール」。
楽器店勤務で妻子がおり、年齢制限ぎりぎりの28歳で、これが最後のコンクールの「高島明石」。
1人1人全く違う人生を送ってきた4人が、1つのコンクールで交わる美しい物語です。「ほっこり」なのか少し迷いましたが、上記3条件に該当すると思い、また大好きなので選びました。
同作者の「夜のピクニック」もほっこりする青春小説という感じでおすすめです。
今日も1日きみを見てた(角田光代)
日本を代表する小説家である角田光代さんの、愛猫のアメショのトトくんとの日常を綴ったフォトエッセイです。猫と一緒に暮らしている人には絶対に読んでほしい1冊です。
なつみはなんにでもなれる(ヨシタケシンスケ)
どこの家族にも起こりそうな、ママとなつみの会話のお話。その中でのなつみの発想の豊かさにママと一緒に思わず突っ込みたくなります。(笑)読み進めるにつれ、ふっと心が軽く、そして優しくなる一冊。ふふっと笑えて、良い感じに肩の力が抜けますよ。
自閉症の僕が跳びはねる理由(東田直樹)
28か国で翻訳、世界的ベストセラー!会話のできない自閉症者の心の声。
「僕が跳びはねている時、気持ちは空に向かっています。空に吸い込まれてしまいたい思いが、僕の心を揺さぶるのです」(本文より)
人との会話が困難で気持ちを伝えることができない自閉症者の心の声を、著者が13歳の時に記した本書。障害を個性に変えて生きる純粋でひたむきな言葉は、当事者や家族だけでなく、海をも越えて人々に希望と感動をもたらした。世界的ベストセラーとなり、NHKドキュメンタリー「君が僕の息子について教えてくれたこと」でも放映された話題作
角川文庫公式サイトより引用
これまで、自閉症の方の内面は、あまり豊かな感情があると思われていませんでした。そうではないことを、表現手段がないとしても豊かな内面があることを教えてくれたことに感謝です。大げさではなく、自閉症に対する理解を大きく変えた1冊であり、世界中に影響を与えた作品。「自閉」という表現がいかに偏見に満ち溢れたものか、考えさせられました。たくさんの人に読んで「ほっこり」してほしい1冊です。
山梨県立北病院の精神科医の先生が書かれた本の感想が素敵です。こちらの感想をお読みいただければ幸いです。
思い出のとき修理します(谷瑞恵)
さびれた商店街で「思い出の時 修理します」と掲げられた時計職人の青年が主人公。過去に何らかの後悔などの気持ちが残った人が持ち込んだ時計の修理を通じて、「過去の想い出」の修復をするお話です。決して、過去に戻る、過去を変えるというようなお話ではありません。時計の修理を依頼した人に真摯に向き合うところが素敵な「優しい」小説です。
猫弁 -天才百瀬とやっかいな依頼人たち-(大山 淳子)
お見合い30連敗。冴えない容貌。でも天才。婚活中の弁護士・百瀬太郎は猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考えている。そこに舞い込むさらなる難題。「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい」。笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー、堂々誕生!
講談社の公式サイトより引用
猫いっぱいの弁護士事務所というだけで猫好きは反応してしまいますね(=^・^=)。ドラマ化もされたみたいです。「こまったら、上を見ろ」作中のこの言葉が忘れられません。本当に素敵なお話です。
最後に
ほっこりもするけど、悲しさがある。
ほっこりもするけど、切なさがある。
今回ピックアップした本は、「悲しさ」や「切なさ」を極力排除できているものになっていると思います。是非、夜にコーヒー片手に「ほっこり」してくださいね。
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